平成28年度「破壊的な挑戦部門」最終選考結果発表

■最終選考通過者 技術課題名

以下の技術課題が最終選考通過となりました。(五十音順)

38912 DIGITAL [三宅智之](38912 DIGITAL [ミヤケ トモユキ])

東京都

CGを用いた建物破壊映像におけるリアリティの追求とその制作過程及びモデリングデータの公開

私は「特撮」は日本の伝統文化であると考える。特撮といえば建物破壊だが、映像技術が特撮からCGへと変化する中、コンピュータによる複雑な計算が必要な破壊シーンは簡単には作れなくなってきている。私はその傾向自体を問題と考える。しかしCGソフトは扱いが難しいため、リアルな破壊映像を作るには膨大な試行錯誤が必要となり、それ自体がエンジニアリング対象となる。本研究ではその追求を第一の課題とする。また、中高生がCG映像制作を志す際の助けとなることを期待し、第一の課題解決によって作り出したモデルデータとプロセスをメイキングやチュートリアルの形で公開していくことを第二の課題とする。

市原 えつこ(イチハラ エツコ )

東京都

デジタルシャーマン・プロジェクト:家庭用ロボットへの故人の身体的特徴のインストール

「デジタルシャーマン・プロジェクト」は、科学技術の発展を遂げた現代向けにデザインされた、新しい弔いの形を提案する。家庭用ロボットに故人の身体的特徴を憑依させるこのプログラムは死後49日間だけ家庭用ロボットに出現し、49日を過ぎると自動消滅する。本事業では音声合成、ライフログや家庭用デバイス等による生活データの統合、身体データの導入により精度高く人物を再現し、インタラクティブにふるまえるように品質を上げていく。一連のシステムの開発により、私たちが大切な誰かの不在に向き合う仕組みづくりをする。

遠藤 謙(エンドウ ケン)

東京都

100m走で10秒を切ることができる靴の開発

パラリンピックなどで使用されている疾走用のスポーツ義足をつけたアスリートの躍進はめざましく、世界記録を次々の更新し10秒57にまで早くなった。そのため義足をつけて走ることが不公平ではないかといった議論もある。私はスポーツ義足に使われている板バネをつけて走ることが、有利にも不利にも働くと考えており、健常な鍛え上げられたトップアスリートが最適かつ軽量な板バネを装着し、使いこなすことができれば、100mを9秒代で走ることが可能であると考えている。以上のことから、私は元400mハードル選手の為末大の走りを最大限にまで引き上げる板バネがついた靴の開発を目指す。

竹之内 大輔(タケノウチ ダイスケ)

東京都

パーソナライズされた笑いをお題(フリ)回答(ボケ)ガヤ(ツッコミ)により生成する大喜利人工知能の開発

現在までの開発で、
・大喜利の文章お題
・写真お題への回答(=ボケ)を生成するAI「大喜利β(https://twitter.com/ogiribeta)」
・任意のキーワードから大喜利のお題(=フリ)を生成し、それに回答が付いた際に、お題と回答に沿ったガヤ(=ツッコミ)を返答するAI「大喜利α(https://twitter.com/ogirialpha)」というプロトタイプを公開している。
今後の開発で、フリ・ボケ・ツッコミの精度向上だけでなく、サービス利用者ごとに異なる「笑いのツボ」を押さえた、パーソナライズされた笑いを提供する対話AIを実装する。

多田隈 建二郎(タダクマ ケンジロウ)

宮城県

可食ロボティクスの展開:体内管腔状空間での推進を可能とする全周開張式円状断面トーラス型ロボット機構の開発

体内の食道や胃腸などの管腔状空間内での移動は、環境に可能な限り接触圧力を与えないで行われることが望ましい。一方で、このような環境内を推進するロボットにおいては、その狭隘空間を自らが侵入推進可能なサイズに「こじ開け」ながら移動する手段が求められるため、この双方の両立は従来極めて困難であった。本プログラムでは、体内管腔構造に全面接触することで、この接触圧力を極力抑える「全周開張」を行う円状構造として、考案した「膨張・収縮式トーラス構造」に基づき、推進を可能にする究極のロボット機構の原理の拡張および具現化を行う。

土田 修平(ツチダ シュウヘイ)

兵庫県

錯覚ボールの実現

近年、ドローンや小型ヒューマノイドなどのロボットを活用したライブパフォーマンスが増えている。しかし、人とタイミングを合わせて移動しているものの、接触はほとんどなく、またロボット自身は移動や身振りといった単調な動作のみであり、人が持つ「技」と並べると見劣りしてしまう。本プロジェクトでは、持ち上げることが可能で、また錯視によって非現実的な動作を表現するという「技」を持つ、直径1m以上の球体LEDディスプレイを開発する。多数の移動する球体LEDディスプレイを利用し、肉眼で非現実的な世界を楽しめる演出の実現を目指して、試作を行う。

中䑓 久和巨(ナカダイ ヒサナオ)

茨城県

次世代型表情表出アニマトロニクスシステムの開発

映画などに登場するキャラクターを表現する手法の一つとして,アニマトロニクスがある.近年,CG技術の発展により映像分野でのアニマトロニクスの使用は減少傾向にある.しかし,アニマトロニクスには,現実世界に存在し,直接ユーザーと触れ合えるというCGにはない魅力がある.本研究は,現在のアニマトロニクスが抱える技術的課題を解決しつつ,造形技術,ロボット工学,感性工学などあらゆる技術の複合体であるアニマトロニクスに新たな価値を持たせ,さらなる発展を目指していく.

中安 翌(ナカヤス アキラ)

石川県

うねうねわらわらアニマトロニクス

映画などで用いられるアニマトロニクス技術とキネティックサーフェースシステムを融合して、CG映像のような表現を実体として実現する。本技術の特徴は多数の構成要素が連動して有機的に美しく動く表現を追求することにあり、これを立体構造と連動させることでダイナミックな表現を持つ立体メディアを実現する。ロボット分野やインターフェース分野、エンターテイメント分野などに応用可能な技術になると考える。

西本 匡志(ニシモト マサシ)

広島県

ペアプログラミングAIの実現に向けた「レシピの予測機能」の開発

現在のソフトウェア開発では、開発内容の引き継ぎが不十分、かつ既存コードの流用が多いため、プロジェクトに参画した当初の開発者がコードの内容理解や改修を短期間に行うことは困難である。そこで、まるで隣にいて知識や経験豊富な開発者のように支援を行う「ペアプログラミングAI」の実現により解決を目指す。本提案では、書きかけのソースコードとそれに対して実現を望む機能を表すキーワードを本AIに伝えると、不足や誤りがある部分をアドバイスする「レシピの予測機能」を開発する。これにより、フレームワークやAPIの使い方の理解や実装に必要なAPIの選定にかかる開発者の負担の軽減が期待できる。

藤木 淳(フジキ ジュン)

東京都

視線方向と時間経過に応じて色変化する立体物造形のためのユニットモジュールの開発

本研究では、鑑賞者の視線方向と時間の経過に応じて、鑑賞者に異なる発光色を提示するユニットモジュール装置を開発します。レゴブロックのように、本モジュール装置で立体物を構成することにより、視線方向と時間経過に応じて表面色が変化する立体物が造形可能となります。これにより、視線方向に応じて異なる動画像を提示するナビゲーションシステムやデジタルサイネージ、立体造形における新たな質感表現等が可能となります。本研究では、立体物本来の材質特性を決定する原子としての役割を果たすモジュール装置の開発を目指します。