平成29年度「破壊的な挑戦部門」最終選考結果発表

■最終選考通過者 技術課題名

以下の技術課題が最終選考通過となりました。(五十音順)

あるしおうね(アルシオウネ)

米国・カリフォルニア

高度なインタラクションを可能にするセマンティックARのための環境識別技術の開発

昨今のARにおいて、バーチャルキャラクターを目の前に表示させるという、ある種の人々の願望は徐々に実現されつつある。しかし表示だけでは不十分で、将来的には現実のその場にいるかのようなコミュニケーションが求められている。この実現には、バーチャルキャラクター(コンピュータ側)が現実の物や場所、状況を正確に把握し、適切な反応を返す必要がある。本事業では、このような現実環境の意味的な情報(セマンティクス)をコンピュータに提供する「セマンティックAR」環境の構築に必要となる、現実環境の識別技術の開発と、これを組み込んだバーチャルキャラクターとのインタラクションシステムの試作を目指す。

小川 晋平(オガワ シンペイ)

熊本県

聴“心”器の開発

聴診器は心音(心臓の音)や呼吸音(肺の音)などを聴く医療機器として広く医療現場で用いられている。私が発案し現在開発中の「超聴診器」は機械学習を用いた自動診断アシスト機能や遠隔医療への応用の機能を有してはいるが、あくまで現在の聴診器の延長線上にあるものである。一方、今回提案する「聴“心”器」は既存のものとは全くコンセプトが異なり、心音の大きさやタイミング、心拍変動など各種パラメータを独自のアルゴリズムで解析し「ストレスの数値化」を目指している。本事業では自律神経指標の定量的評価アルゴリズムの研究及び試作開発を行う。

坂本 元(サカモト ハジメ)

大阪府

人間が乗り込み操縦する、巨大人型ロボットの実現に向けて、二足歩行技術の研究

少年時代に憧れたロボットアニメの人型ロボットを実現することが目標である。最終目標は身長18メートルの人間が乗り込み操縦する巨大ロボットである。15年前に一人で身長40センチ程度の人型ロボットの開発から始めて、現在はグループで身長4メートルの人間が乗り込み操縦する人型ロボットを完成している。巨大人型ロボット開発における最重要課題となるのは、二足歩行に関するものである。すなわち、関節を駆動するモータ、二足歩行制御ロジック、ロボットのフレームや足裏の製作、ロボットの転倒防止、ロボットの乗り心地がある。本プロジェクトでは、それらの技術課題に取り組んでいきたい。

島影 圭佑(シマカゲ ケイスケ)

東京都

OTON GLASS-読む能力を拡張するスマートグラス-におけるインターフェースとサービスの研究開発

OTON GLASSは文字を読み上げてくれる眼鏡です。対象は著しく視力が低かったり視野が欠けている視覚障がい者、文字を読むことが困難な読字障がい者、視機能が低下した高齢者、現地の言葉が読めない海外渡航者です。OTON GLASSを掛けると、目の前にある文字をカメラで撮影し、文字認識技術でテキストデータに変換し、それを音声として読み上げることで、ユーザーは内容を理解できます。異能vation採択期間においては、次世代のOTON GLASSのプロトタイプを制作します。具体的にはハードウェア・ソフトウェアのアップデートに加え、ライフログデータを利用したサービスの開発に取り組みます。

髙橋 宣裕(タカハシ ノブヒロ)

神奈川県

Acoustic Fart Wave Generating System

最先端の要素技術の複合的な制御を可能とすることで、任意のタイミングで多彩なバリエーションのAcoustic Fart Wave(AFW)を生成できる全く新しい装置を開発し、ロボティクス分野、エンタテインメント分野における発展に寄与する。AFWは社会における様々な局面に応じ、幅広くメッセージが変容する特異とも言える性質を持つ。本プロジェクトはAFWが特徴として持つ“ユニークさ”、“美しさ”の二要素を高次元で両立・拡張する設計方針のもとに実装を行う。遂行にあたっては、リアリスティックAFWの生成を通過点として捉え、超AFWへ展開することで、AFWが持つポテンシャルの新たな可能性を開拓する。

田沼 英樹(タヌマ ヒデキ)

東京都

激安FPGAのメニーコアは本当にあります!シンプル高性能なメニーコアマイコンで簡単お手軽並列処理♪

FPGAならではの全く新しいアーキテクチャでメニーコアマイコンを構成し、ソフトウェアだけでお手軽に使いこなせるような環境を構築します。これによりHDL記述や論理合成がほぼ不要になるので、開発の敷居が一気に下がります。メニーコアのプロセッサアーキテクチャはアキュムレータマシンと自己書き換えをベースにしたもので、現状どのプロセッサとも似てない特殊なものです。特にタスクが互いの実行タイミングに干渉せず実行できるので、何の気兼ねなくプロセッサ数だけ並列処理ができます。電子工作等、あらゆる用途に応用が可能ですが、まずはこの全く未知のアーキテクチャでのプログラミングを楽しんで欲しいと考えております。

鳥光 慶一(トリミツ ケイイチ)

宮城県

電気を流す伸縮自在の糸で体の動きを知る

これまでに電気を通す絹糸、導電性シルクを作り出し、シルク本来の肌触りの良さ、風合いをそのままに存在をほとんど意識させないバイタル計測に取り組んできた。現在、伸縮自在な糸を用いることで伸縮性導電糸を実現することに成功しており、基材である糸の電気的特性変化を利用して体の動きを計測することができる衣服の作製に取り組みたいと考えている。これにより、着ていることを意識せずに動きを可視化することが可能となり、健康管理及び、姿勢や機能障害等の早期発見による痛みの緩和や支援に役立てるとともに、介護医療分野等における応用展開を視野に入れて開発を進める。

西田 惇(ニシダ ジュン)

中国・北京

装着型デバイスによる身体認知機能の最大化に基づく人々のエンパワーメント

リハビリテーションやスポーツ訓練においては、教示者と学習者の間で身体知情報をやり取りすることが重要となる。本研究では筋活動制御に基づく両者の運動覚融合などを可能とする装着型デバイスを用いることで、教える能力と学習する能力を最大化し、使用者の主体的な機能回復や獲得を支援する手法を提案している。本計画では運動覚共有を行う新たなモジュールの開発や他の感覚モダリティとの統合を行うと共に、他者との運動覚融合における自身の主体感の保持などについても認知科学的アプローチから検討し、装着型デバイスを用いた人の身体・認知的特性の操作に基づく人と人の新しいコミュニケーションを実現する手法の実装と知見の発信を行う。

濱田 健夫(ハマダ タケオ)

東京都

臀部清拭代行装置のための操作インタフェースの開発

臀部清拭代行装置は、便器に搭載されたロボットアームにより、直接臀部に手を伸ばすことなく便や水分を拭き取ることができる。そのため手を媒介としたウイルス感染の予防のほか、自ら臀部を拭くことが困難な人々にとって、その作業を他人に依頼する必要がないという利点から、病院や介護の現場を中心に実証実験が進められている。しかし、これまでの清拭動作はロボットアームを一定の軌道で動かすのみであり、ユーザの好みやその日の便・肛門周辺のコンディションに応じて拭く方向や位置、強さを調節することができていなかった。そこで、本プロジェクトは、ユーザが臀部清拭代行装置を意図通りに操作するためのインタフェースを開発する。

福重 真一(フクシゲ シンイチ)

大阪府

世界の好きな場所に意識を転送し現地の人と対話できるTele-ghostシステムの開発

世界の様々な観光地やパブリックスペースにはネットワークカメラが設置されており、そのライブ映像をWeb上で見ることができる。本プロジェクトでは、それらのライブ映像から得られる情報を用いて、自分の部屋にいながらゴースト(視覚と聴覚)だけを世界中の観光地に瞬間移動させ、その空間をカメラ位置に縛られること無く自由に散策するのみならず、ゴーストを通じて現地の人達とも対話できる新しいテレイグジスタンス技術「テレゴースト」を開発する。これによりユーザーは、例えば観光地にある実際の店舗にゴーストとして入店し、店員と相談しながら土産物を遠隔購入することもできるようになる。

的場 やすし(マトバ ヤスシ)

埼玉県

粉粒体を液状化する「流動床」現象を用いたインターフェースの開発

粉粒体を充填した容器中に流体を噴出することによって、粉粒体を液状化することができる。この現象は「流動床」と呼ばれ、焼却炉など多くの工業分野で利用されてきたが、人間が直接触れるインターフェース用途ではこれまで利用されていなかった。例えば「砂」と「空気」を使用し、砂の表面に映像を投影すれば、「スイッチひとつで上を歩いたり泳いだりできるディスプレイ」が実現する。粉粒体と流体の素材の各種組み合わせや、使用方法を研究し、これまでに誰も見たことの無い、「固相と液相を自由に制御可能な新しいインターフェース」を開発する。

村木 風海(ムラキ カズミ)

山梨県

温暖化対策を身近に ― CO2直接空気回収マシーン CARS-α ―

仮に世界中がCO2の排出を完全にストップしたとしても、地球温暖化はもはや止まらない―この言葉を中学生の頃に目にし、衝撃を受けた。温暖化問題には諸説あるが、少なくとも1人1人の意識を変えることが解決には不可欠である。そこで気候工学=「地球の気候を科学の力で操作する」という切り札に着目し、中学生の頃から個人レベルで取り組むことが出来る温暖化抑制の方法を研究してきた。具体的にはCO2の直接的な削減に貢献する装置の開発である。このテーマでは、まず始めにCO2回収技術、次いでCO2の高付加価値化に挑戦する。そしてこれらの技術を使って複数の試作品を開発し、ネットワークを介してその効果を数値で分析・シェアすることで、個人が実践する温暖化対策の“見える化”を実現し、温暖化問題に対する個人レベルの意識改革を促進する。

山西 陽子(ヤマニシ ヨウコ)

福岡県

気泡インジェクターによる情報発信

従来生体等の柔軟性を有する材料へ情報を埋込み発信する技術は、その耐久性と侵襲性が問題となり実現が困難と考えられてきた。本研究では新しい概念を用いて、生体からの情報発信技術を構築するものとする。